就労移行支援って実際どう?生活支援員が語るリアルな現場とその実態

就労移行支援って実際どう?生活支援員が語るリアルな現場とその実態

就労移行って役立つ?

就労移行支援という言葉を耳にしたことがあっても、「実際どうなの?」「本当に就職できるの?」と疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。私は、以前自立訓練(生活訓練)の事業所で生活支援員として3年間働いていました。

日々、障がいや心の不調を抱える方々と向き合いながら、「就職したいけど、今の自分にできるのか不安…」という声を何度も聞いてきました。この記事では、就労移行支援と自立訓練の違いや、実際に支援してきた現場のリアルな声をもとに、「就労移行って実際どうなのか?」を深掘りしていきます。

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そもそも「自立訓練(生活訓練)」とは?

自立訓練(生活訓練)は、障害や精神的な課題を抱える方が地域社会での自立した生活を目指して利用する福祉サービスの一つです。厚生労働省が定める障害福祉サービスの一環で、主に日常生活の維持や習慣づけ、社会参加の練習などを目的としています。

たとえば、以下のような支援が行われます:

  • 毎日の生活リズムの安定化
  • 人との関わり方の練習
  • 金銭管理や買い物の練習
  • 通院や服薬の自己管理

私が勤務していた事業所では、発達障害やうつ病、統合失調症などの背景を持つ方が多く、焦らずゆっくりと「生活を整える」ことを重視していました。特に、社会復帰や就職を焦るよりも、まずは「安定して通う」ことを目標にするケースが多かったです。

「就労移行支援」との違いとは?

一方で、就労移行支援はその名の通り「就職に向けた準備や訓練」を行う場所です。対象者は、一般企業への就職を目指している障害者手帳を持つ方(または診断書がある方など)で、原則として2年間の利用期限があります。

具体的には:

  • ビジネスマナーやパソコンスキルの習得
  • 履歴書の作成や面接練習
  • 企業実習(インターン)
  • 就職活動のサポートと定着支援

つまり、「生活の安定」を目指す自立訓練に対し、「就職」を目指すのが就労移行支援。利用者の体調や希望、スキルの段階によって、どちらを利用するかが変わってきます。

【体験談①】自立訓練から就労移行へ行く人は意外と少ない理由

3年間、生活支援員として支援していて感じたのは、「自立訓練からそのまま就労移行に行く人は意外と少ない」ということ。

というのも、自立訓練に通う方の多くは、まだ体調が不安定な時期にあります。朝決まった時間に起きることすら難しいという方も少なくありません。

就労移行はある程度の体力や安定した通所が求められるため、ステップアップとして通ってみたものの「思ったよりハードで続かなかった…」という声もよく聞きました。無理をしてしまうと、かえって体調が悪化することもあります。

だからこそ、就労移行を目指す場合は「ある程度体調が整ってきてから」が大事。段階を踏んでいくことが、就職への近道になるのです。

【体験談②】就労移行は週5通所が基本?実際の通い方とは

就労移行支援事業所は、施設によってプログラムの内容も通所ルールも異なりますが、基本的には「週5日通うこと」を想定したスケジュールになっていることが多いです。

もちろん、最初は週3日や午後だけの通所など、体調に合わせた配慮がある場合もありますが、最終的には就職を見据えて「フルタイムで働ける力をつけていく」ことが求められます。

また、通所を休むときには「電話連絡が必要」だったり、「何分以上の遅刻は欠席扱い」といったルールがある施設もあります。これは社会に出たときのビジネスマナーを習得するための大切なステップでもあります。

実際、就労移行に通うことで、「生活リズムが整った」「社会との関わりに慣れた」「電話対応ができるようになった」という方は多かったです。

【体験談③】ちゃんと就職できる?その後も続いてる?

気になるのは「本当に就職できるのか?」という点。私が関わった方の中でも、実際に就職できた方は多数いらっしゃいました。そして、その中には「就職して3年、今も同じ職場で働いている」という方も。

もちろん、すべての方がすぐに希望通りの就職ができるわけではありません。でも、「いきなり就職は怖い」「働くイメージがわかない」という方にとっては、就労移行支援はとても有効な“練習の場”になります。

実習を通して仕事に触れたり、自分に向いている職種を探したりできるので、安心して一歩を踏み出せるのです。

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おすすめアイテム:実際に役立ったサポートグッズたち

利用者さんから「これ買ってよかった!」と好評だったアイテムをいくつかご紹介します。

こういった小さな工夫が、日々の通所の快適さをぐっと高めてくれるんですよね。

まとめ:就労移行支援は「準備ができた人」にとって大きな一歩になる

就労移行支援は、体調や生活リズムがある程度整ってきた方にとって、「社会に出る前の最後のステップ」として非常に有効な支援です。ただし、無理にステップアップしようとせず、自立訓練などを経てじっくり準備することも同じくらい大切です。

生活支援員として多くの方と関わってきた経験から言えるのは、「焦らず、一歩ずつ」ということ。

もしあなたが今、「働きたいけど不安…」と感じているなら、自立訓練や就労移行をうまく活用しながら、自分のペースで未来を築いていくことを心からおすすめします。

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